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2022.12.01カテゴリー:著者:大澤淳一

働くことを、どう捉えるか

企業に就職することがゴールではない

 トライフルは、「働くことを通して、人生を充実したものにすること」を目的に、就労支援を行なっています。なのでトライフルは、「何が何でも企業就労させる」場でもないし、「就職することがゴール」でもありません。「働くこと」を手段としてうまく活用することで、人生に充実感が増し、幸福を感じる機会が増えるからこそ、障がいのある人の「働く」を支援することに情熱を懸けているのです。今回は「働くことを、どう捉えるか」について、考察していきます。

働くことの3つの意義

 尾高は、働くことについて①生計の維持、②連帯の実現、③個性の発揮と定義しています。①生計の維持は、働いて得た収入で生活の基盤をつくることです。次に②連帯の実現です。これは、社会的役割や社会的分担を遂行することで社会との接点が生まれることを意味し、逆にこれがうまくいかないと社会的孤立や社会的排除を産みます。最後に③個性の発揮です。これは個人の能力を発揮して、自己実現を図ることを意味します。

社会的な役割を担うことが幸せにつながる

 この中で、最も重要なのは②の連帯の実現と言われています。理由は、社会との連帯(社会的つながり)の中で、社会的な役割を遂行することが結果として、個人の生計の維持や個性の発揮を統合するため、その要である連帯の実現が最も重要ということを意味します。つまり、働くことは、社会から要請された「役割を遂行すること」であり、働くことを通して収入が保障されれば、社会との連帯の中で社会参加欲求を満たし、個人の自己成長や自己実現をより多く希求するようになるという好循環が生まれることを意味します。

働くことは「目的」ではなく、「手段」である

 このようなことから、トライフルでは働くことを「目的」ではなく、幸せに生きるための「手段」として捉えた支援を行っています。言い換えると、トライフルでは「社会的な役割」を一人ひとりに意識化してもらうことを重視しており、その「役割の遂行」を通して、社会的な機能の充足と個人の満足が満たされる喜びを繰り返し体験してもらうことをプログラムの柱に据えているということです。

 具体的には①事業所内でのワークサンプルによる予行練習、②企業インターンシップ体験、③キャリアカウンセリング(対話)を通した振り返りとポートフォリオ作成という作業を、一人ひとりに合わせて丁寧に行なっていきます。こういった体験を通して、より多くの「働くことを通した幸せ感」を感じていただくことが、結果として社会的孤立や社会的排除を遠ざけ、社会的な存在としての幸福感を高めると信じています。

<参考/引用文献>

松為信雄「キャリア支援に基づく職業リハビリテーションカウンセリング」,ジアース教育新社,2021

尾高邦雄「新稿職業社会学」,福村書店,1953

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大澤淳一

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