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2022.12.07カテゴリー:著者:大澤淳一

ディーセント・ワーク -いい仕事とは-

 トライフルは、働くことが、幸せにつながると思うからこそ、「働く」を支援しているグループです。今回は「いい仕事」について、考えていきます。

いい仕事とは

 杉村は、いい仕事の要件について次の10項目を挙げています。

①自分にとって意味があること

②真剣で責任感のある態度が求められること

③生活に必要な要件を満たすこと

④他者との共同生活に貢献すること

⑤より良い生き方と重なること

⑥仕事以外の活動との間で均衡の保たれた生活ができること

⑦活動の内容そのものが魅力的であること

⑧活動を通して自分が成長できること

⑨社会的に価値のある成果につながること

⑩自分から希求することで初めて得られること

ディーセント・ワーク

 ILO(国際労働機関)は、「働きがいのある人間らしい仕事、より具体的には、自由・公平・安全と人間としての尊厳を条件とした、全ての人のための生産的な仕事」をディーセント・ワークという言葉で定義しています。ディーセント・ワークを実現するために、①仕事の創出、②社会的保護の拡充、③社会的対話の推進、④仕事における権利保障の4つの戦略を掲げています。SDGsのゴール8「働きがいも成長も」の内容にも、ディーセント・ワークを推奨することが謳われていることから、今後ますますこの考え方が重要視されます。

※ILO,https://www.ilo.org/tokyo/about-ilo/decent-work/lang--ja/index.htm 

※SDGs目標8, https://sdgs.edutown.jp/info/goals/goals-8.html 

障害者の月給1万円からの脱却

 ヤマト福祉財団の小倉昌男氏は、「障害者の月給1万円からの脱却」というスローガンのもと、福祉事業所に「経営」の概念を持ち込み、ただ「守られる」だけの対象ではなく、障がいのある人も戦力として、働くことを通した豊かな人生の実現の重要性を主張しました。

「本来ならば、障害者の方たちも健常者並みの給料をもらい、でき得る限り自分の給与で生活できるような仕組みがなければおかしい。それこそが真のノーマライゼーションであり、福祉のはずです」

幸せは働くことによって手に入れることができる

 日本理化学工業の大山泰弘氏は、「人は仕事をすることで、ほめられ、人の役に立ち、必要とされるからこそ、生きている喜びを感じることができる。家や施設で保護されているだけでは、この人間としての喜びを得ることはできない。だからこそ、彼らは必死になって働こうとするのです」と、人間の幸せは働くことによって手に入れることができると主張しました。実際に、たくさんの重度の知的障がいのある人と共に働くことを実現した大山氏の言葉だからこそ、説得力があります。

働くことを通して幸せを感じることをサポートする

 「いい仕事」について、正解はないのかもしれません。しかし、このように先人の教えなども参考にしながら、私たちは常に「いい仕事」や「ディーセント・ワーク」について考え、答えを追求し続けます。そして、一人でも多くの障がいのある方が、働くことを通して「幸せ」を感じることができた、と感じていただけるように尽力し続けます。なぜなら、それこそが私たちの原動力であり、そうあり続けることが私たちの幸せにつながるからです。

 

<参考/引用文献>

・松為信雄「キャリア支援に基づく職業リハビリテーションカウンセリング」,ジアース教育新社,2021

・杉村芳美,「いい仕事の思想」,中央公論社,1997

・小倉昌男,「福祉を変える経営」,日経BP出版センター,2003

・大山泰弘,「働くしあわせ」,WAVE出版,2009

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大澤淳一

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