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たすく代表日記
2023.05.06カテゴリー:未分類
【代表ブログ】出てこい!社会起業家
<ソーシャルアントレプレナー>
ソーシャルアントレプレナー(社会起業家)は社会企業家とも呼ばれていますが、社会の課題を事業によって解決する者を指します。ってのは教科書のとおり、実際はどうでしょう。
社会の課題を解決するのは、従来は公務員の仕事です。
例えば日本の警察組織は、車の事故が起これば進んで交通整理しますし、酔っぱらい同士がケンカしていたら、お巡りさんに一声かける人は多いでしょう。お巡りさんの多くは地方公務員ですから、身分が保障されていると同時に、一般人よりは重い責任を負わされている立場です。海外に行くと分かるのですが、日本のお巡りさんほど頼りになる存在はいません。ヨーロッパでは物を盗まれているのにニヤニヤして「取られたお前が悪い」と言われたこともありますし、絶対的にお巡りさんの数が足りない東南アジアの国では、交通事故を目撃するとお互いに殴り合って、ある程度感情が収まったら凹んだ車体の状態でそれぞれ離れていく、なんていう場面を見ました。国が違えば、お巡りさんを呼ばないし、来ないのです!
さて、日本の市町村の役場に出掛けると、必ずと言って良いほど市民課や福祉課などが分かりやすい位置にあります。たまにしか行きませんが、窓口はいつも混んでいて、よろず相談にのっている様子が分かります。社会福祉法人を立ち上げて分かったのですが、そこには個人もいると思いますが、私たちのような社会福祉法人の管理者もいます。立ち上げの支援から経営状況の把握など年がら年中、メールをくれますし、役所に行けば相談に乗ってくれます。最近では利用者が定員になるようにするためには真っ先に相談に行く先として役場という法人は多いと思います。
<公務員を辞めた理由を聞かれても、自分でも分からない>
そうなると、日本における社会起業家は、どんな立ち位置なのでしょうか?社会の課題を事業によって解決する必要など、日本には無いような感じがします。私は大学在学中に神戸の震災を経験し、ボランティア元年という時代を知っていますので、多くの社会企業家に関する書籍に触れ、さらに様々な実体験をしました。なので、私は公務員という道を選び、北海道の教諭、文部科学教官教諭、国立特殊教育総合研究所の研究員という流れで社会の課題(僕の分野は特殊教育)を事業によって解決しようとしたのです。
もちろん、公務員という選択、それが正しいと思っていました。正確には9年間(27歳の年から37歳の年まで)公務員をしました。
「なぜ,辞めたの?」「良いポジションだったのに。」と言われますが、実は深く考えて辞めたのではありません。それくらい国立特別支援教育総合研究所の仕事にはやりがいがありましたし、多くの人たちから慕われ、重責を人っている自負もありました。
しかし、父が63歳の若さで他界し、「あっけない」と思ったことと、「自分自身がこれ以上頑張るには自分に負荷をかけるしかない」と思ったことだと、後付けですが、考えています。当時の日本において「社会の課題を解決する」ためには、相当のモチベーションが必要だったのだと思います。これまで述べてきたとおり、「公務員」によって多くの社会の課題は解決され、緩和され、支援されているのです。さらには社会の課題を解決するのは、本来、行政の役割です。そして日本の公務員は他国に比べて優秀だと言われています。そこへ割って入ろうっていうのですから、簡単なことではありません。
しかし、2008年に僕は「たすく株式会社」を創業します。
<それでも、日本にこそ,社会起業家が必要だと主張したい理由>
これは事後報告ですが、15年以上、株式会社をやって来て、良かったことがあります。それは「かなり、頑張れる」ってことです。そう、かなり頑張れます、頑張るしかありませんし、「インサイドアウト」で頑張れば頑張るほど、気分が良いです。たぶん「特別支援教育」が好きじゃないとできませんが、社会の課題の解決に向けて頑張れるのはホントに気分が良いことです。
<直ぐに解決、すぐに行動、何もないところから事業を立ち上げ、軌道に乗せていく者>
そこで考えられるのは、社会企業家っていうのは、0から1の事業をする人じゃないかなって思うことがあります。事業を創造するだけではなく、社会問題を見つけたら直ぐに飛んでいって0から1まで必死に解決していく者、そういう存在なのではないでしょうか。例えば、
・発達障害の子どもがいて、その家族がいて、とにかく悩んでいる状態に対して、はじめの一歩を具体的に提案する
・自分で移動できない子どもが増えて、仕事はできるけど送迎がないと会社に来られない、なんていう変な状態になっている現状に対して、移動手段のトレーニングを具体的に行う
・1日をかけてアセスメントをして、子どものことを理解し、1年間の計画を立てて療育し、将来の見通しを立てつつ,社会的な不利などのリスクを防ぐ
(追加:社会的企業の定義)
社会的企業とは、公的サービス(誰もが等しい条件で受け取れる)を、民間の力で提供することです。
崇高な倫理観や開拓精神、さらに最新の情報技術や金融手法などを活用して、公的サービスを生む価値を内部化します。それは公的機関に比べ、常に「改善」が求められる民間機関が対象とする「顧客」に向けた品質向上が、公的サービスを生む価値を内部化するための、最も効果的な方法だからです。
世界をリードする成熟期の資本主義国家において、官は税による行政サービスが維持不能になります。そこで官は行政サービスを、民に委ねようとしますが支配権を手放そうとはしません。
民は、顧客にとって必要なサービスを提供しようとしますが、あくまで私的なサービスに留まる
傾向があります。社会的企業とは、顧客サービスの品質向上の成果を、私的なサービスに留めること無く、公的なサービスへの内在化を常に意識した会社集団です。
ちなみに僕は、教室長以上の者にはマネジメントを求めるし、部長クラス以上には資本家としての資質を磨くように鍛えます。TASUCグループの理念は「社会起業家」の専門家集団を育てることです。
出てこい社会起業家!