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たすく代表日記
2023.01.29カテゴリー:未分類
【代表ブログ】互助の精神、助け合いの精神 〜メンタープログラム
<後退した「親の会」>
今日のJ☆sKeps™研究会を「診断前の支援」としたのは、互助の精神、助け合いの精神を蘇らせ、最近、後退してきた「親の会」について考えたかったからだ。
本当に理解できないが、手をつなぐ育成会をはじめ、自閉症協会など、名だたる「親の会」の本部が無くなり、各地の支部が中心となって活動するようになって10年くらい経つだろうか。
<リスペクトする英国自閉症協会では>
実際に2度ほどロンドンの現地を訪問したが、NAS(英国自閉症協会)はチャリティー(寄付)の文化に支えられて、研究者を雇っているほどだし、HPは本当に秀悦です。
https://www.autism.org.uk/
(ちなみに、HPの表紙にDonationがあります)
また、韓国を訪問した際には、財閥の力、宗教の力を感じました。宗教の力は我が国でもありますが、財閥は表向き解体されていますので、財閥の力による寄付に頼るわけにはいきません。
つまり、日本の「親の会」は政府にもの申す先鋒にもかかわらず、政府からの補助金で運営しているという矛盾を抱えながら存在し、10年以上前にアッサリと後退したと言うことになります。
こうなると福祉が「政争の具」になってしまうことは明確です。本当に必要な支援は、当事者が話し合い、当事者で決めることが大事ですが、我が国は常に当事者ではない行政や専門家などの「支援係の提案」に基づいています。
<措置制度に正義はあったか?>
自立支援法という制度に変わった際、措置制度からの革命的な転換と喜ぶ人がいました。しかし政策の立案は行政主導です。その結果、当事者が必要なニーズを勝手に支援係が考えた「選択肢の中から」決めることができるようになっただけです。これがまた、次から次へと毎年変化し、選択肢が変更され、その紹介をすることを生業とする人も必要になりました。考えてみれば、???ですが、これが現実です。
<互助の精神、助け合いの精神>
もう一度、互助の精神、助け合いの精神を蘇らせるための第一歩は、保護者自らが、メンター(信頼できる相談相手)となり、不安な保護者の道先案内人(ナビゲーター)としてニーズに応じることです。
<親たちが受けるストレス>
•中田ら(2010)は,「障がい児の親のメンタルヘルスに関する研究―うつ状態の早期発 見と家族支援―」の一環として,親たちが受けるストレスの要因を,以下の5つの要因にまとめています。
1.家族外の人間関係から生じる要因
2.障がい児の問題行動から生まれる要因
3.障がい児の発達の現状及び将来に対する不安から生じる要因
4.障がい児を取り巻く夫婦関係から生じる要因 5.日常生活における親自身の自己実現の阻害から生じる要因
5.日常生活における親自身の自己実現の阻害から生じる要因
つまり、1,4は,親の人間関係から生じるストレスであり,5は,親自身の自己実現の阻害から生じるストレスです。現代の日本社会において,障がいのあるお子さんを授かったことが原因で職業キャリアを捨てざるを得なかったり,趣味等の生きがいを我慢することが,ストレスに繋がることは当然です。 また,2,3についても明確です。親は,発達障がいのあるお子さんの問題行動がストレスになります。大声で叫ぶ,座り込む,特異な行動をすることで周囲から奇異な目で見 られるなどの,親のストレスに繋がる問題については,早急に解決に向けて取り組む必要 があると思います。そして,お子さんの現状を明確に示し,将来の不安を払拭するような道標を示すことができるアセスメントの普及が求められています。 これらの5つの要因を中心に,親のメンタルヘルスを重視した支援に取り組むことで, 発達障がいのあるお子さん自身にとっても,大きく寄与することは明確です。
<ペアレントメンター事業とは>
•メンターは、「信頼できる相談相手」という定義です。
•ペアレントメンター事業では、発達障がいのある子どもの養育経験を活かして、同じような子どもを持つ親の話を聴いたり、情報提供などを行います。
•専門家とは違う視点で、同じ親として葛藤や不安に共感しながら寄り添うことができます。
•様々な子育ての経験や地域の情報などを、同じ親の目線で伝えることができます。
<TASUCのストレングス・アプローチ>
「たすくの療育7R」にあるMETHOD 8のストレングス・アプローチは,たすくのMETHODの総まとめとして, 療育場面で幾度となく繰り返される話し合いや会議の際に用いる,具体的なアプローチ 方法です。より良い支援を行うためには,家族に対する理解が重要です。その際,家族がどのように発達に課題のある子どもを受け入れていくかということは,個々の家族が 担っていく大きな課題です。一人一人に寄り添い,家族の心理的葛藤や,受け入れる自由を保障しながら支援を継続していきます。
•たすくでは,協働する相手となる家族のストレングス(Strength)(「良さ」「強さ」「長 所」)を信じて,「4つのアプローチ」を実践しています。この方法を柱に据えることで、ペアレント・メンターなどの支援の輪が広がると考えています。
(1)解決指向型アプローチ
(2)ナラティブ・アプローチ
(3)認知的アプローチ
(4)コミュニティ開発アプローチ
詳細は 「たすくの療育7R」をご覧下さい。