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2020.09.14カテゴリー:お知らせ
家庭生活もアセスメントする
子ども理解に基づく子育てにむけて
私たちは、アセスメントを基軸にした療育・療育・支援の提供しています。それは、私たちは、ご家族が「子ども理解に基づく子育て」が実現できるようにすることを目指しているからです。今年度は、8月から12月まで、毎週アセスメントが予約されていて、ワクワクしています。
さて、アセスメントは、年度ごとに大きなテーマを持って臨みます。長く療育を続けていく中で、確実に評価改善を重ねていくためです。お子さんとご家族ごとに、困っていることや目標に定めたことは違います。その1つ1つに誠実に答えていくことを、創業以来13年続けていました。アセスメントは、いつも新しい発見があり、感動があり、目標が見つかります。
その一場面を紹介します。
家庭訪問から始まるアセスメント
青年期をむかえたメンバーのアセスメントでは、家庭訪問から始まります。
「朝から家庭訪問ですか?」と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんね。そうなんです!
今は、ひと昔前と違い、地域で暮らすことを基本に、様々な支援が組み立てられています。
たすくメンバーは、「将来、好きな街で、役に立つ仕事をしながら暮らすこと」を望んでいるので、生活スキルの獲得が重要になります。また、移動スキル(徒歩・公共交通機関)の獲得は、仕事のみならず、レジャーでも必要になります。だから拠点となる家庭生活を整え、日常生活を遂行の状況を評価改善することを重要視しているのです。
自分でしているADLのチェック
男性は、知的障がいのあるASDがあります。8年間お付き合いしているご家族です。
このアセスメントでは、「子ども理解に基づく子育て」のモデルケースとも言えます。
朝の1時間で、子どものキャラクター、学習スタイルを捉えられた支援がチェックできました。それは、過去のアセスメントの中で『(言われれば)できるADL』と評価されていたものが、今回の家庭訪問では『(自分で)しているADL』として確認できたからでした。
例えば、以下のようなものです。
・時刻によるスケジュールの実行が習慣化している
(食事時間、身支度の開始、出発時間など)
・家族の役割があって、毎朝こなしている
(朝食の準備、布団あげ、ペットの餌やりなど)
・出発までの身支度が、無駄なく遂行している
(着替え、荷造り、マスクなど)
・体温、血圧の計測が定着している
(健康チェック、ノートへの記録、器具の準備片付け)
細やかな観察から生まれた支援
朝の忙しい時間は、本当に“習慣”をよく観察できます。朝は短時間における活動の遂行を支えるのは、前日準備のルーティンが徹底されているからでした。前夜に段取りが済んでいるんです!
そして、当日の朝には、実行機能の不全をカバーする部屋の構造化が施され、本人が使いこなしていました。子どもを観察しまくり、機能的目標を追求してくれた母の愛の結果。
将来のシェアハウスに向けて、ますます現実味が増してきます。
移動スキルが重要
続く、移動スキルのチェックでは、歩行と電車の利用です。
まず、力が付いていて私が嬉しく思ったことは、「最寄まで歩き慣れている(約2km弱)」ことと「体力があってすこぶる元気」なことです。健脚のスタッフと全く同じペースで移動できるほどで、感心しました。
そして、目標も見つかりました。それは社会性の学習に関するものです。男性は、徒歩での移動では、途中で小走りになったり、独り言を言ったりしていました。しかし、駅構内に入ってから乗車中は、ペースを守って歩き、一切口を開きません。マナーが守られているのです。
『なぜ? こんなに様子が違うの?』
実行機能のハンディに対応する
1日をとおしたアセスメントの中で、よく分かったことがありました。
それは、彼の困っている実行機能に関するものでした。「何をするか?」だけをわかっている活動と、「どのようにするか?」までわかっている活動では、活動の遂行が大きく異なるということでした。当たり前のことですが、現場ではなかなか見分けが難しかったのです。
例えば、駅までの移動では「○○駅まで歩く」ことが分かっていました。さらに交通ルールを守ることを守っていました。しかし、独り言のことは、自覚しておらず制御せずに歩いていました。一方、電車の移動では、「静かに過ごして、○○駅まで乗る」ことが分かっていたので、自ら静かに乗車していたのです。ここで「できる」「している」の違いが見られました。
今回、朝の家庭生活と移動スキルをチェックすることで、彼の次の支援のテーマがしっかり評価できました。やっぱりアセスメントは欠かせない!そう感じた朝でした。
彼の今後の支援方針は、機能的な目標の「生活スキル」「イオンディペンデント」を仕上げて、「社会性」の学習に進んでいくことです。そのために、ご家族と私たち支援者、彼の困りごとである実行機能への対応を常に話し合っていくことを約束しました。
2020年度 後期生5名を募集します
コロナ禍で就学相談の日程が、例年どおりに進みづらい状況です。
幼児期に学ぶべき幼稚園等での教育活動に加えて、
発達の凸凹や特性に応じた配慮を理解した療育によって、
小学校での学習活動に参加していく準備を進めましょう。
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