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たすく代表日記

2023.10.28カテゴリー:未分類

【代表ブログ】続・ハノイ教育大学カンファレンス

第3回目のハノイ教育大学主催による教育カンファレンスのスピーカーに参加してきました。

・Panel 1: School leadership in the context of digital transformation:From policies to practices.
・Panel 2: Pedagogy in the context of digital transformation and competency-based education.
・Panel 3: Modern trends in educational assessments: Competency assessment,accreditation, ranking.
・Panel 4: Researches in Educational Sciences in Vietnam: Prospects and Challenges.
・Panel 5: Technologies of the Industrial Revolution 4.0: from Research to Application in education.

ハノイ教育大学にてカンファレンススピーカー参加

 上記のプログラムの パネル4のKEY Noteスピーカーでした。
 実際は30名ほどのスピーカーがいたのですが、パネル4では、コン先生が発達障害の専門家を呼んでいたので、期待以上に面白かったです。
 国際学会での定番は、米国のABAを学んだ学生が、個人事業主として宣伝がてらABC分析の話とか、ABCデザインのデータなどを出して、「サポートしますよ!」という感じなのですが、2件ありました。

熱心な教師に支えられているベトナムの教育
 ASEANの教育の現状が興味深かったですね。タイは、ベトナムに比べて、対GDP比の公的教育予算が少ないって知りませんでした。タイはベトナムよりGDPは上のはずですから単純には比較できませんが、ベトナムの教育は熱心な教師に支えられているなと実感させられる毎日です。「先生の日」がありますが、GOOD TEACHER として表象される仕組みがあり、誇らしげな先生たちの顔が並びます。

伝えたいことは「日本を教科書にして」「早々に特別支援教育を整備すること」
 今回は、「学習障害と教育療法:グローバルとローカルの視点 〜日本の発達障害理解と教育支援 TASUCモデル」として発表しました。コン先生のオーダーですが、概要として、
・日本では1990年代に、構造化中心のアプローチが普及し、その効果が実証されたこと
・2000年代、世界的な知的障害と教育支援は、MRIの普及により、脳科学(神経心理学)に基づくアプローチが普及したこと。同時期、日本でも、脳科学(神経心理学)に基づくアプローチが普及したこと
・日本では特に、「学習の準備性」、「短期記憶(ワーキングメモリ)」、「感覚処理の問題への対応」などがクローズアップされていることを、具体的に(15分ですが)報告しました。

今後、学習障害と教育療法:グローバルとローカルの視点から、

・Vietnamは、日本が必要とした10年よりも短縮して、「構造化に基づく、支援環境の構築」を急ぐこと
・「個に応じた特別支援教育」を行う
・「脳科学に基づいた「個人別のアセスメント」を行う
・「個人別の特別支援教育プログラム」による支援が必要である
・Vietnamでの具体的な普及のために日本などの経験を参考にしていく
・TASUCメソッドは、その参考になる
   こんな感じでしょうか。

ベトナムのSTEM教育
 特に幼児教育の現場ではSTEM教育が大きな注目を集めています。今回のスピーカーも、特にASEANの教育者は、STEMの話題が多かったと思います。STEMは、Science(科学)、Technology(技術)、Engineering(工学)およびMathematic(数学)の略です。STEM教育は基本的には、上記の4つの分野に関連する必要な知識とスキルを子どもたちに指導することとして理解されています。
STEA教育は2000年代に米国で生まれた概念ですが、いわゆるIT分野、ハイテク分野の適格者が労働市場に少なかったことから、国家レベルでそういった求人ニーズを満たすような人材育成を行なうという政策レベルで用いられた概念です。つまりベトナムの人材育成はハノイ工科大学に代表されるように、STEM教育が基礎基盤になります。
 もともとSTEMという概念は小、中、高等教育までの広い教育ステージに当てはまるフレームワークですが、今回のスピーカーからも、高等教育では遅く、初等教育でのSTEAM教育の環境整備の重要性を説いていました。日本でも「学研の科学」に代表されるように、50年前は「科学者」が絶対的に憧れの存在でした。
 STEM教育では特に初等教育の段階が最重要視されていることからも、発達障害の分野でも1歳半くらいから子どもの発達の課題に気付く親が多いのですね。
 なお、公立・私立を問わず小中学校でSTEM教育のカリキュラムが積極的に取り入れらています。算数の授業では、ロボットを組み立てていたり、実際に薬品を混ぜて化学変化の実験もありました。
 日本でも幼小中学生向けにあるような、ロボットをパソコンで実際にコンピュータプログラミングで操作する授業が行われています。日本でも行われていますが、このあたりは日本に勝るとも劣らない質の高い授業だと思いました。

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