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2023.05.07カテゴリー：著者：城日菜子

「るーちゃんは自閉症」〜言葉と実態の結び付き〜

こんにちは！たすくの城日菜子です。
ゴールデンウィークも終盤。私もお休みをいただいて実家に帰省し
地元長崎や九州ののんびりとした雰囲気を堪能しています😊
今回は、その中で少し感じたことを書かせていただきます⭐️

うちの親戚は割と結びつきが強い方で、昔から年に数回、なんとなく集まるような機会がありました。
自閉症の妹も、もちろん集まりに参加していました。
いとこ達の中では、私が一番年上で、年の近いいとこ達とは、よく祖父母の家に集まり、プラレールや人形遊びをした記憶があります。中高生になってからは、宿題を教えあったり、一緒に通信ゲームをしたりした覚えもあります。
大人達の話が盛り上がってくると、初めは母のそばにいた妹が母のそばを離れ、私のところに来ることがありました。
そして、一緒に、私といとこたちの中に混ざって遊ぶのです。
私たちが宿題をしている時には、妹はすっと隣に座り、絵を描いていました。
そんな妹を、いとこたちがどう思っていたかはわかりませんが、
割と普通に過ごしていたような感じがしています。

今回の帰省中にも親戚の集まりがあったのですが、そこで、小学1年生と、小学3年生のはとこに会いました。（わかりやすいように、1年生の子をAちゃん、3年生の子をBちゃんとします。自閉症の妹は「るーちゃん」として会話の中に出てきます。）
Aちゃんは普段はたまプラーザに住んでいて、今もよく会っているので、すぐに私のところに駆け寄ってきてくれましたが、
Bちゃんは、彼女が3歳くらいの頃に一度会っただけの子だったので、私のことを覚えているのかいないのか微妙でした。
ただ、私が持ってきたシルバニア人形（昔私が使っていたもので、もはや15年もののアンティーク！🐱）に釘付けで、すぐに心を開いて一緒に遊びだしました。
遊んでいる中で、Bちゃんが
「るーちゃんのきょうだいなの？」
と私に尋ねてきたので、私は
「そうだよ。お姉ちゃんだよ。
　るーちゃんとは会ったことあるの？」
と答えました。するとBちゃんは私に、
「あるよ。いつも絵を描いてくれるから、仲良しだよ。」
と答えて、妹の方をチラッと見ました。そしてさらに
「アンパンマン描いてって言ったら、描いてくれたよ。」
と教えてくれました。
長崎に住んでいる妹とBちゃんは、私の知らないところでたくさん関わりがあったようでした。
では、Bちゃんはどのくらい、妹のことを知っているのだろう？と思い、
その後私はBちゃんに、
「るーちゃんの言ってること、わかる？」と聞きました。
するとBちゃんは
「わかんないけど、笑ってる時は、楽しそうって思うよ。
たまに怒ってる時もあるけど、その後は絵を描いてるよ。」
と答えてくれました。
そこで私は、「Bちゃんが、妹の障害名を知っているか」よりも、
「Bちゃんが、妹のことをどう思っているのか」が大切なのだと感じました。

最近は、「自閉症」や「発達障害」という言葉が世間に広まるようになり、正しい理解も進んできています。
とはいえ、一口に「自閉症」「発達障害」とまとめて言うけれども、特性は十人十色で
得意なこと・困っていることは、人の数だけあると思っています。
一人一人の特性は、その人たちと、一緒に活動したり、時間を過ごしたりする中で、見えてくるものですよね。
まだ小学3年生のBちゃんは、「障害」や、「自閉症」という言葉を知らないかもしれない。
もしかすると、聞いたことはあるけれども、その言葉と妹の実態が繋がってはいないかもしれない。（ちなみに私が「自閉症」という言葉を知ったのは小学5年生の時、意味をわかって使い始めたとなると、中学生くらいかなぁと、ぼんやり思い出します。）
でも案外、Bちゃんと妹はうまくやっているように見えたので、嬉しくなりました
だから、「自閉症」という言葉を知っているだけではなく、「自閉症」という言葉と、自閉症の実態が結びつくことが重要なのではないかと感じました。

今、いとこ達はみんな、「るーちゃんは自閉症だ」とわかっているのだろうか。
わかっているのだとしたら、どの辺りから、気がつき始めたのだろうか。
でも、わかっていたとしてもいなかったとしても、当時は同じ空間で一緒に遊んでいました。
その時間がいとこ達にとって、「自閉症」という言葉と「るーちゃん」という実態を結びつける時間だったらいいなと思い、大人になって、連絡をとって、聞いてみようと感じた今でした。