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2025.07.25カテゴリー:著者:札幌教室スタッフ

心を育てるコミュニケーションの発達段階~かりんとうから始まる「伝えたい!」の気持ち~

たすく札幌教室には、勉強を頑張ったご褒美におやつを食べるお子さんがいらっしゃいます。
今回は、そのお子さん「Aくん」がおやつを食べている時の教室でのひとコマをご紹介します。


Aくんはある日、スタッフにおやつを一つ分けてくれました。
そのお返しにとスタッフからかりんとうを1つあげたのですが、Aくんは、かりんとうを食べたことがありませんでした。

初めて見るかりんとうをつまみ上げて、じっと観察。鼻先に近づけてクンクン。
恐る恐るひと口食べてみると……パッと表情が明るくなりました。

そして、今度はスタッフの持つ袋に目を向け、手で「ほしい」のサインをします。
そのとき、スタッフはあえてわからないフリをして声をかけます。
「どうしたの?“お話ブック”でお話してみようか」
すると彼は、絵カードならべてバーに貼り、指さしながら伝えました。

「ぼくは 1つ かりんとうが 食べたい」


このやりとりには、言葉の発達においてとても大切な要素が詰まっています。
まず、「〇〇したい!」という気持ちが芽生えること。
そして、自分の思いを推し量ってくれない“他者”の存在に気づくこと。
そのうえで「わかってもらうためには、どう伝えたらいいか?」と考えることで、相手に伝えようとする力が育ちます。

手でのサインは、教室の中や、Aくんをよく知る人には通じるかもしれません。でも、それが初めて会う人や知らない場面でも伝わる方法で「正しい表現」へと変化していくことが、将来親元を離れ、社会に出て生きていく力に繋がります。

小さなかりんとうをめぐるこのやりとりの中に、「心を育てるコミュニケーション」の芽が育っているのです。

子どもの思いを過度に汲み取りすぎず、伝える力を伸ばすために、時には「わからないフリ」をして“正しく伝える練習”をしてみることも大切です。

🔸 🔸 🔸

コミュニケーションの方法や発達のことで気になることがあれば、
どうぞお気軽に、たすくにご相談ください。
一人ひとりの育ちに寄り添いながら、私たちがお手伝いします。

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私たちは,発達障がいのあるお子さんとそのご家族のための、一貫性と継続性のある支援体制を創る「たすくグループ」です。 札幌教室は、最新の研究と科学的な根拠に基づくアセスメントと療育の拠点として、地域に根ざすことを目指しています!

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