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2023.02.20カテゴリー:, 著者:鎌倉御成教室スタッフ

コミュニケーションを重視したJ☆sKepsアプローチ「ゆいにゃん」の成果報告!

こんにちは。御成教室の竹内美貴です。
今日は、本人が主体的に活動に取り組むために、コミュニケーションを重視して療育に取り組んできた「ゆいにゃん」の成長について書きたいと思います!

「ゆいにゃん」は小学4年生の女の子です。
私が御成教室で出会ったときは、小学3年生。
初めての活動は緊張して、机の下に潜り込み、「もう、やんない!」と泣くこともしばしば。
いつもと同じ活動でも、想像と異なることが起きると不安になり、
取り組んでいるときに大人から修正されると、全てを否定された気持ちになっていました。

『表出性のコミュニケーションを活かして学習態勢を伸ばす』

出会って1ヶ月後、一緒に挑んだ2021年度のアセスメントは、
記憶の課題に躓き、
「もう分かんない!」と机に伏せてしまいました。
それでも、頑張りたいという本人の思いの表れか、机の下に潜り込むことはありませんでした。
J☆sKepsの点数は、2.4点。
アセスメントで今年のねらいを、
"表出性のコミュニケーション”の力を使って、やりとりしながら課題を成し遂げる力(学習態勢)を伸ばすこと
と、しました。

そこで、彼女のコツノートに、やりとりするための言葉を溜めていきました。
◯「質問してもいいですか?」
◯「何回やりますか?」
◯「できない時は、パスしてもいいですか?」
毎回の療育時に、コツノートを机上に出して、課題を始める前に自ら確認するようにしました。  
すると、課題で気になることなどは質問や相談をしてから取り組むようになりました。

そして、3点越えを目指して共に挑んだ、2022年度のアセスメント。
お母さんとは、
「自分から質問や確認を言葉で伝える力がついてきたゆいにゃんなら、 不安になった時も活動を最後までやり遂げられると思います!
だから、どんな時もゆっくり頷いて、温かく優しく見守っていてください!」
と、打ち合わせをしました。
アセスメント当日は、いつもと異なる雰囲気に、やや高揚しながらも課題に取り組む「ゆいにゃん」。
アセスメント中盤、初めて取り組む課題の説明を聞いた後、
彼女は私に
「ちょっと、初めてのやつ(課題)だから、出来ないんですけど…」と、
耳打ちをしてきました。
私は「そうなんだね」と返事をしました。
そして、こんなやりとりをしました。
ゆいにゃん:「私ね、初めての問題はなんか嫌なんだよね。絶対やらないといけないのかな。ちょっと休憩してきていいですか」
竹内:「じゃあ何分くらい休憩は必要ですか?」
ゆいにゃん:「1枚ならできるんだけど」
竹内:「いいよ。じゃあ、やってみましょう」
ゆいにゃん:「うん、でも、できるかどうか心配なんだよ」
竹内:「そうか。」
ゆいにゃん:「ちょっと休憩していいですか。」
と、20分ほどやりとりを繰り返して、気持ちが落ち着くと、新規課題に取り組めました!!

セルフマネージメントにも、コミュニケーションが活きる!

アセスメントの結果は、J☆sKeps2.9点!
1年間粘り強く、表出性のコミュニケーションの力を活かせるように取り組んできた結果、やりとりを通して課題を成し遂げる力(学習態勢)が伸びました!
次の1年は、
自ら計画に沿って課題に取り組む力(セルフマネージメント)を伸ばすことをねらいにしました。

そして、彼女のコツノートに、計画に沿って取り組むための言葉を溜めていきました。
ゆいにゃんにとって魔法の言葉を2つ紹介します。
★「時間がかかってもいいですか?」
(実際に時間がかからなくても、取り組む前に相手に伝えることで、本人は、安心するらしいです。伝えることで、焦らされることはないと思うからでしょうか。)
★「例えば、~ってことですか?」
(途中で修正されたり、指摘されることが苦手なので、「例えば」で予防線を張っているそうです。)
そして、療育場面はもちろん、生活場面でもこの力が発揮できるようになってきました!!

『ゆいにゃんの今とこれから…』 


最後にこんなエピソードを1つ…
最近、御成教室に実習生が来ました。
「みんなで自己紹介をしようよ」と声をかけると、
「え。なんて言えばいいの?」と小さく呟いた後、
「質問してもいいですか?例えば、私は~です。~年生です。好きな動物は~ですって言えばいいのですか?」と私に聞いてきました。「いい自己紹介だと思いますよ!」と返事をすると、
堂々と実習生に向かって自己紹介をすることができました。

今のゆいにゃんなら、
流動的な環境でも、本人の強みである表出性のコミュニケーションの力を使って、
見通しを持つために必要な情報をとって、
理解・整理して、前向きに活動に向かえると太鼓判を押せます!
そして、これからは、自分のパフォーマンスを発揮するステージを
静態的な環境から流動的な環境へステップアップさせていくことでしょう!

来年度のアセスメントが今から楽しみです!
余談ですが、私と「ゆいにゃん」は、最近、好きな男の子のことや好きなタイプをコソコソ話すことにハマっています。これから素敵な女性になっていく彼女の成長も楽しみです!
温泉が好きな私たち、いつか女2人旅したいな~と密かな野望でブログを締めます💕

最後まで読んでいただきありがとうございました😉

タグ:
療育

この記事を書いたスタッフ

鎌倉御成教室スタッフ

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私たちは、発達障がいのあるお子さんとそのご家族のための、一貫性と継続性のある支援体制を創る「たすくグループ」です。 TASUC個別療育・鎌倉御成は、最新の研究と科学的な根拠に基づくアセスメントと療育の拠点として、地域に根ざすことを目指します!

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