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2025.07.01カテゴリー:
限られた時間を味方につける:職業体験で学んだこと

こんにちは。横浜教室の伊藤明美です。
今回は、この春に体験した農園でのお仕事について学んだことを書きました。
1.はじめに:職業体験という“リアルな一日”
この春、高校1年生の男の子と一緒に、横浜市青葉区にある金子農園に、お仕事に行きました。
金子農園さんは農福連携に取り組んでいる農園です。
作業への取り組み方はその時々で、ハウス内での仕事や、収穫したトマトのパッキング、肥料を運ぶなどを必要な時期にそれぞれ担当します。
この6月は収穫されたミニトマトのパッキングが主なお仕事でした。
当日の朝、出荷数のノルマを与えられ、時間内にできるようひたすら作業に取り組みます。当然終わらなければ、出荷先との契約も破綻しますし、日にちをおけばミニトマトも質が落ちていきます。
与えられた時間内に、与えられた仕事をこなすプレッシャーは凄まじいものがありました。
働くというのは、決して「楽しい」ことばかりではなく、時には地道で大変な作業の積み重ねであるという現実を目の当たりにしました。しかし、そのような経験こそが大きな学びとなりました。
「農業が楽しい」と感じる瞬間だけに関わるのではなく、栽培全体の工程に携わることで、どうすれば作業を効率よく、正確に進められるのかを自ら考え、工夫する力が養われたと感じています。
毎日の積み重ねの中で、ただ指示されたことをこなすのではなく、自分なりの目標をもって取り組むことで、ミニトマト一つ一つにも自然と愛情が生まれました。
2.適度な休憩も、時間管理のうち
お仕事をするときには、ずっと集中しつづけるのはとても大変です。たとえば、ハウスの中で大人といっしょに立ったまま作業をすることは、体も頭もつかれてしまいます。
だからこそ、大切なのは「自分から休もう」と言えることです。「少し休んでもいいですか?」「水を飲んでもいいですか?」と、自分の身体を大事にするために声を出すのは、とてもすばらしい力です。
5分の休憩でも、しっかり体と心を休めることで、また元気に作業に取り組めます。自分のペースを大切にすることは、どんなお仕事でもとっても大事なことなんです。
3.ノルマ達成への工夫と時間の使い方
お仕事がはじまる前に、「まず何からやるのがいいかな?」と考えることは、とても大切です。
その日やることは、行ってみてはじめてわかることもあります。そんなときは、「これが一番先にやるべき」「これはあとで大丈夫」と、自分の頭で順番をつけていくことが大切です。
やることを準備して、すぐに行動できれば、お仕事もスムーズに進んでいきます。目標に向かって頑張るために、自分なりの作戦を考える力は、これから先もきっと役に立ちますよ。
トマトのパッキングは、出荷先によって、袋なのかパックなのかで作業効率が変わります。先に作業工程が難しく、時間のかかるものを行うことで、集中力を発揮しました。
4.おわりに:職業体験がくれた“社会人の視点”
この体験を通して感じたのは、時間を管理できる人は、信頼されるという実感です。与えられた時間内に仕事をこなし、スケジュール通りに動くことこそ、社会の中で求められるスキルです。
金子農園さんの体験は、しばしお休みですが、この経験を、これからの生活にも生かしたいと感じました。
療育を進めていく上で、スケジュールの学びは非常に大切です。ASDの子どもたちは、見通しが持てないことによる不安や混乱が強く出てしまうという特性もあります。「突然の変更」が苦手な特性もあります。なので、彼らが理解しやすいように、絵カードなど視覚的情報を与えたり、タイムタイマーを活用したりなどスケジュール通りに動くための工夫が必要です。
時間管理は“未来への準備”だと、私は思います。療育で培った見通しを持てる力は、社会に出たときの強みになります。
「今、一緒に練習すること」にこそ価値があると思って、これからも日々子どもたちと関わりたいと思います。
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個性を理解して、才能を伸ばす
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