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2024.09.12カテゴリー:著者:鹿島真知子

本人の意思を知る〜真の意思決定支援への道とは〜

こんにちは。たすくの鹿島真知子です。
9月半ばを迎えても、外に出たときの第一声は、「あっつぅ〜」😅
秋らしくなるのはいつなんでしょう🍁

いつもブログを読んでくださってありがとうございます。
今回は、来週実施予定の自立支援協議会子ども支援部会全体会でお話ししようと思っていることについて触れさせていただきます。

テーマは「やっているつもり?意思決定支援」です。
ちょっと意地悪なタイトルですが、自戒の念を込めて、真実に目を向けるために、幹事会で決めました。

「子ども支援部会」は、「地域の子どもたちの幸せの追求」という理念目標は明確なのですが、
行動目標は?と考えると、何をするべきなのか…
幹事会で白熱した議論が交わされました。
その中で最もよく出て来たワードが「意思決定支援」でした。

「意思決定支援」って、誰もが言うけれど、
この漢字6文字に込められた内容はとてつもなく深く、
本人の本当の意思を本人の人生に反映させるために、私たちは何をするべきなの?
と幹事みんなで自問自答を繰り返しました。
そして、全体会の中で、都筑区の子どもに関わる様々な機関の方々と、幹事会での議論の続きを交わしたいと考えています。

私は、中1から私たちの教室に通ってくださっているAくんの軌跡を話す予定です。
今年高3のAくんは、6年間で様々な姿を見せてくれました。
その姿から学んだことを全部話そうとしたら泊まりがけになりそうなので、その一部を紹介したいと思います。

Aくんのお母さんが初めてたすくに電話をくださった時、家以外のところには行けないから、教室にも連れて行けないかもとおっしゃっていました。
その時は、子どもの声を怖がって学校に行けなくなり、子どもに遭遇するかもしれないと考えると、家のすぐ近くのゴミ捨て場にすら行けなくなっていました。
幼い頃から聴覚過敏がありましたが、子どもの声をきっかけにしたネガティブな経験が重なってしまった結果、外に出ることが怖くなってしまったのだと考えられました。
その頃は、自分の小さい頃の写真も見ることができなくなっていました。

そんなAくんが、積み重ねてきた三つのアプローチについてお話ししようと思っています。
①小さい子は怖いという解釈を変えるための良い経験をスモールステップで積み重ねる
②苦手な場面は回避することができることを学ぶ
③自分の思いを表す言語表出の力を伸ばす
年に一度のアセスメントで、Aくんの現状をじっくり分析しながら、アプローチの具体をご両親と共有してきました。
時には学校の先生もアセスメントに参加してくださり、ともにAくんの心を支えながら、可能性を広げてきました。

その結果、Aくんは、時間割を見て、参加の仕方を考えることができるようになり、
自らの意思で登校し、文化祭や修学旅行にも参加するようになりました。
もちろん、今でも聴覚過敏がなくなった訳ではなく、苦手な場面はあります。
しかし、Aくんは、同級生や自分より小さい子と楽しい時間を過ごすことができることも知っていて、場面を選ぶことができるようになりました。

今のAくんは、いろいろな人と交わることを楽しんでいます。
先日のたすく夏祭りでは、コーヒーショップを開き、友だちと協力して23人のお客さんに自らハンドピックしたコーヒーをハンドドリップしてサービスすることができました。
お世辞なしで美味しいコーヒーでした☕️

家から出られなかった頃、その状態だけを見て「ずっと家にいたいんだ」と解釈されてしまっていたら、今の姿はないと思われます。
本人の意思を知るためには、周りの大人が自分の常識に当てはめて決めつけないことが大切だと感じています。
そのために、私たちは、曇りのない目を持ち続ける努力をしたいと思います。

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鹿島真知子

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