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2019.10.01カテゴリー:著者:横浜教室スタッフ

感覚過敏に困っているMくんの挑戦

こんにちは。たすくの鹿島真知子です。朝晩過ごしやすくなりしたね。

テンプル・グランディンさんがおっしゃっているように、発達障害のある方の多くが感覚調整障害に悩まされていることが明らかになっています。
たすくに通うお子さんも、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚・固有受容覚・前庭覚のあらゆる感覚調整の問題で、
日常生活に支障をきたしているお子さんが少なくありません。

Mくんには、聴覚過敏があります。駅の改札を通る時の「ピンポン」の音が苦手で、猛ダッシュしてしまっていました。
誰かにぶつかって怪我をさせては、とお母さんは悩んでいました。
でも、Mくんにとっては、急に鳴る音の攻撃から身を守るために走り去る方法しかなかったのです。
そこで、作戦会議です。
イヤーマフとトークンエコノミーシステムを活用して、歩いて改札を通る作戦を立てました。

初日。

改札を通る前にベンチに座ってトークンの意味を確認。
歩いてトークンを集めたら何をゲットするかを選び、イヤマフを着けてから歩き始めます。




Mくんは「歩いてるね」と褒められてトークンをもらい、シートに貼って歩き続けます



窓口あたりでは、気持ちがざわつくのか、足が速まりました。
何度か走りたいのを止められながら歩いて通り過ぎてトークンが貯まり、大好きなハイチュウをゲット。

2日目、また、イヤーマフとトークンの登場です。

トークンを集めたら何をゲットするかを選んで改札に挑みます。
Mくんは、イヤマフを着け、トークンを受け取りながら、窓口に進み、自ら定期を駅員さんに見せ、
昨日ハイチュウをもらった場所に歩いて行くことができました。

3日目、この日もイヤマフとトークンを用意していました。
ところが、Mくんの到着がいつもより早く、私たちが到着した時には、すでに改札を通り過ぎてハイチュウを食べていました。
イヤマフを使わなくても、歩いて通ることができたのです。

驚くべき早さで、状況を把握して自ら歩いて改札を通ることができたMくん。
トークンがなくても歩いて通過できるようになりました。
今でも、首を傾け、肩をあげてできるだけ耳に近づけ、音を避けたい気持ちは残っている様子ですが、
走ることなく落ち着いて通り過ぎることができています。

感覚処理の問題においては、その過程から、以下のような段階で説明をすることがあります。
①登録(刺激への気づき)
②定位(刺激に注意を向ける)
③解釈(過去の経験と今起こっていることを関連づける)
④組織化(脳がその感覚に対してどのように反応するか決定する)
⑤応答(感情の表出や行動の実行)
一方向性の処理の流れではなく、③解釈や④組織化が1登録や定位に影響することもあります。

Mくんの場合は、“③解釈”において、改札口の「ピンポン」を「急に鳴る怖い音」から「自分に危険を及ぼすことがない音」に変換することができたのでしょう。

実は、Mくんにはまだまだ克服したい感覚の問題があります。

これからも、「大丈夫!」が増えていくよう、ご家庭とタグを組んで作戦を練っていきます!!



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