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2024.10.02カテゴリー:著者:城日菜子

「意思」が見える距離感

こんにちは!たすくの城日菜子です😊
秋になりましたね!とはいえ、まだまだ暑い日もあったり、急に涼しくなったりと、不安定な気候が続いていますね・・・
教室でも、風邪をひいている子も増えてきています。しっかり手洗いうがいをして予防に努めたいですね☺️
さて、今回は、「秋」といえば?「読書の秋」ということで、
最近私が読書にハマっているお話をさせていただきます。

最近、ひょんなことから、読書をしたい!という気持ちになりまして
手当たり次第に、太宰治や夏目漱石、川端康成あたりの「文豪」と呼ばれる人たちの本を読み漁っています。
一つ読むと、また次、といった形で、どんどんいろんな作品を知りたい!という気持ちで読んでいます。
私の母は昔から本が好きで、幼い私にも、本を読みなさいと進めたものですが、当時の私はそこまで読書に興味があるわけでもなく
惜しいことをしたな・・・と大人になった今、ふと思い、そこで母親に最近「何かおすすめの本はない?」と質問攻めにしています。

そこで先日母親に紹介された「妹とバスに乗って」という本を読みまして、そこで感じたことを共有させていただきます。

この本の、あらすじだけを、簡単に説明します。

成功だけを夢見る姉レイチェルが、変わり者の妹と過ごした不思議な一年
姉のレイチェルは39歳。知的障害を持つ妹ベスは38歳。レイチェルは長年つきあっていた彼と別れて以来、成功だけを夢見て仕事に没頭する日々を送っている。かたやベスは生活保護を受けながら、働かずに暮らしていた。ベスは路線バスに乗るのが大好きで、始発から好きな運転手のバスを次々と乗り継いでは、夕方まで車内の人たちとおしゃべりを楽しんでいる。離れて暮らし、あまり連絡もとりあわなかったふたり。だがベスの突然の提案で、1年間いっしょにバスに乗ることになる。はじめはベスに「つきあってあげていた」レイチェルだったが、ストレートに愛情を示すベスや車内の個性的な人々と交流するうちに、自分が変わりはじめたのに気づき……

あまり大袈裟に言うと、軽く見られてしまうかもしれないのですが、私はこの本を読んで、本当に、本当に感動しました。
本の内容の中で感動したポイントは、両手でも数えきれないほどあったのですが、そこは「皆さん、ぜひ読んでみてください!」と、ここでは締めさせてください。

母にこの本を勧められてから、読んでみようかな、と思ったわけですが、母がこの本を私にレターパックで送ってくれました。
「私が読んだやつだから、ところどころ、折り目がついているかも。」と手紙が添えられていました。

読み進めていくと、主人公のレイチェルが、幼少期に妹と関わる上で感じた思い
大人になってから、妹を取り巻く福祉サービスの担当者やケアワーカーの人々と話すことで感じた思い
何もかもが他人事とは思えなくって、私は夢中で読み進めました。
読み進めていくうちに、母が折り目をつけたページに出会うようになりました。
その度に、母は、このページの中の、どの部分にピンときて、折り目をつけたんだろう、と、考えることが楽しくなってきました。

そんな中で、出会った一つの折り目。

「良い姉になるとは、自分の都合をすべて棚上げにすることなのだろうか」

レイチェルが、ベスに対して、ちょっと自分の都合を言ったら、
ベスに無視されてしまった、というような話があり、その流れでのこのセリフでした。
私は、母がつけた折り目の中で、これを読んでいた当時の母の思い(この本が出版されたのは、実は2006年なので、母は昔に読んでいるのでした)
に、なんだか胸が締め付けられるような、見透かされたような・・・・よくわからない気持ちになりました。
もちろん幼少期、お姉ちゃんだから、という理由もあるだろうけれども
いつでもパフェのさくらんぼは妹のだし、宿題をぐちゃぐちゃにされても、床においていた私のせいだし
別に不満を持っていたわけではないけど、もしかして「良いお姉ちゃん」を演じていたような私がいたのかな、なんて・・・

私は、妹が生まれた時から、障害をもつ妹の「家族」になりました。
彼女のことが大好きな気持ちは、今も昔も、全く変わっていないと思います。
だからこそ、彼女にとっての「良いお姉ちゃん」になりたかったのかもしれない。
でもそれって、妹にとっては、どう思われているんだろう?

私が歳を重ねるのと同じように、彼女も歳を重ね、大人になっています。
彼女自身が自分で選択する、自分で動く、自分で決断する、ような場面も増えてきているな、と遠くから見て感じています。
もしかしたら、「お姉ちゃん、うるさい」と、「手出ししないでよ」と思っているところもあるのかもしれない・・・
(これは、私と、母にも思っているところもあるのかな。)
「良い姉」というのは、必ずしも、なんでもやってあげる姉、許してあげる姉、というわけではないんだな、と、なんとなく、ストンと、腑に落ちました。

「意思決定支援」という言葉が、最近よく言われていますよね。
成長していく妹を見ていて、彼女の意思はどこにあるんだろう
彼女の意思を尊重するには、どういう引き出し方が必要なのだろう、ということを、よく考えるようになりました。
そしてそのためには、たとえ家族であっても、一歩引いて、客観的に見て
彼女の意思を「待つ」ことが重要なんだろう、と思うようになりました。

私が、私の意思でここにいるように、
彼女は、彼女の意思で仕事をして、友達と遊んで、美味しいものを食べている。
これからも幸せでいられるように、お互いの意思を尊重できる家族でありたいな、と思いました。

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城日菜子

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