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2023.01.22カテゴリー:著者:城日菜子

「きょうだい児」としての考え方

自分の書いた絵がプリントされたTシャツを喜ぶ(?)妹

こんにちは!たすくの城日菜子です
寒い日々が続いていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか?
今日は、少し紹介したい動画がありまして、そのことについてブログを書かせていただきます✏️

私の過去のブログでも、何度か触れてきましたが、障害のある子の兄弟姉妹のことを「きょうだい児」と呼ぶことを、みなさんご存知でしょうか?
最近は、障害のある子の兄弟姉妹が集まる場として、「全国きょうだいの会」
を筆頭に、地域のきょうだい会も増えてきています。
横浜市にも「きょうだい会」があり、私もそこに参加せてもらっています。
先日きょうだい会で、ある動画を紹介して頂きました。私自身がその動画を見て、共感したり、そういう考え方もあるんだと率直に感じたりしたことが多くあったので、ここで皆さんに共有させていただきます。

【きょうだい児】障害のあるきょうだいのこと友達や先生に話した?

【きょうだい児】自分らしい進路や人生を歩むために

しゅうじさんのお話にも、めぐみさんのお話にも、「わかる〜!!!」と思うポイントが、私にはいくつもありました。
個人的には、「きょうだいのことをどう話すか問題」は、どの年代になっても、きょうだい児あるあるなんじゃないのかなと感じています。
ただ、同じ境遇に置かれても、その「わかる」の後の行動は人それぞれ違ったもので、
きょうだいに障がいがあることを、言える人、言えない人、嘘をつく人、さまざまだと思いますが
嘘をついてはいないんだけど、違う学校に行っていることをどう説明すればいいんだろうな、とか
話すにしても、どういう切り口で話したらいいのかな、この人本当に、話して大丈夫な人かな、とか
いろいろな思いがあっての行動なので、何が正解なのかを決めることはできないと私は感じています。
でもやっぱり、何事もそうだと思いますが、根底の気持ちの部分を分かり合えた時って、なんともいえない気持ち良さがありますよね。
きょうだい会の1番の役割は、根底の気持ちをわかりあうこと
他の人の話を聞いて「わかる〜」と共感し、他者に自分のエピソードを話して、「わかる〜」と共感してもらう。それに尽きるのではないかと思っています。

これはちょっとひねくれた話になってしまうのですが、
私は、妹の面倒を見ている時に、「お姉ちゃん、えらいね」と言われることがとっても嫌いでした。
正確にいうと、初めから嫌いだったわけではなく、幼い頃は、褒めてもらいたくてやっていた部分もありました。
でもいつしか、「私には、そこしか取り柄がないんじゃないのか」とか
「妹がいなかったら、別に私って何にもできないんじゃないのか」とか
妹ありきで生活している自分のことを、なんなんだろうと思ったこともありました。
そういう時に、たまに会う親戚とかに、「お姉ちゃん、妹の面倒を見ていてえらいね」と言われると
「いや、別にこれは今まで当たり前のようにやってきたことだし。褒めてもらいたくってやっているわけじゃないし。」
というような、なんともひねくれた感情を持つようになってしまいました。
また、これは大人になってからですが、私が就職のために長崎を出て、その後親戚に会った時、
「お前はるなこ(妹)がいるんだから、長崎に帰らんといかんやろ。」と言われた時に、
「あ、今まで“偉いね“と言ってきたのは、そういう価値観を私に植え付けようとしていたのかな。」
「結局、外から見られる時にうちは、妹中心の家族に見られているんだろうな。」
というような、ひねくれた感情も生まれてきました。
(別に私は親戚のことが嫌いというわけではありません。「ちょっとこの言葉だけは嫌だったな。」と感じているくらいで関係は良好です😊)

もちろん、妹にとって、「親亡き後」の1番の理解者になるのは私だと思うし、私であって欲しいとも思います。
とはいえ、そこを中心にして私の人生が回るわけではない。最近はそう考えられるようになりました。

(多少は)色々な人に褒められたくて、妹の世話をしていた幼少期の私が、
どんな子供だったのか。反抗期があったのかを母親に聞いたことがありました。
すると、こんな回答が返ってきました。

「かわいい程度の反抗期ありましたね。
ノートに、“お母さんのバカ“と書いて、ビリビリに破って捨てるとか(笑)
でも、おとうさんが怖かったことと、
妹に障害があったことで、早めに反抗期を脱出したのでしょう。
最近は、早く成長せざるを得ない環境に置かれている子供たちを、ヤングケアラーなどと呼んでいますが、
人はそれぞれ自分の環境の中で向き合ってこそ、その人の生き方の芯が問われるのだと、お母さんは思っています。
といっても、劣悪な環境で耐えろと行っているわけではありません。
どのみち大人になるので、早すぎることはないと思います。
心身の成長が早ければ、それだけ人は、より遠くの景色が見れます。
それに、大人になってからでも、子供の心を持ち続けても良いし、こころは自由です。」

この答えを聞いてから、「あ、私の今までの選択、私の持ってしまったひねくれた気持ちも、そんなに間違ってなかったんだな」と思うことができました。
そして今回、冒頭に紹介した動画の中で、めぐみさんも同じようなことを話していて、より、自分の気持ちを自分で認めることができました。

横浜市のきょうだい会では、年に一度「きょうだいの想いを聴く会」という会が開催されています。
この会では、障害のあるきょうだいを持つさまざまな年代の方々の話を聞くことができます。
他の人の話を聞いて「わかる〜」と共感し、他者に自分のエピソードを話して、「わかる〜」と共感してもらう。
会として行われていることはたったそれだけなのですが、私としては、自分を認められる、心の支えになっています。
まだ、参加者を募集しているようなので、興味のある方はぜひ、詳細をご覧いただければと思います😊

人間みんな、いろいろな悩みがあると思いますが、悩みを全て打ち明けることって、非常に難しいことですよね。
でも、話を聞いて、共感して、そしたら自分の気持ちも救われて、自分も話してみようかなという気持ちになって
そのサイクルを繰り返しながら、自分を認めていけるのかな、と思っています。
だから私も、今度もどんどん、妹とのエピソードを発信しながら、安心してきょうだいの話ができる仲間を、増やしていきたいと感じています😊

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