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2024.08.29カテゴリー:三種の神器
情動の協調
皆さん こんにちは
TASUC鹿児島教室の横川です。
今日は「情動の協調」について、メンバーさんとのやりとりの中でほっこりした場面を皆さんにご紹介したいと思います。
そもそも「情動の協調」とは、主に社会的な文脈で、人々が感情を共有し、互いに感情的に影響を与え合うプロセスを指します。
例えば、 他人の感情に共感し、その感情を共有する「共感」。
一人の感情が他の人に伝わり、その場の全体的な雰囲気に影響を与える「感情の感染」。一人の笑い声が周囲の人々に伝わって全員が笑い出すことなどが「感情の感染」に当たります。
困難な状況や喜びを共有することで、グループ全体が同じ方向に感情を向け、団結感が高まる「集団の一致感」。
情動の協調は、職場やチームスポーツ、教育、家庭など、あらゆる社会的な場面で見られ、グループのパフォーマンスや満足度に大きな影響を与えることがあります。
そして、発達に凸凹があるお子さんにおける「情動の協調」は、典型発達のお子さんに比べて異なる特徴や課題が見られることがあります。
よく挙げられる特徴と課題に、感情の認識と表現の困難があります。
他人の感情を読み取ったり、自分の感情を適切に表現することの苦手さが、他者との情動の協調を妨げる要因だというふうに言われることもあります。
そのほかにも、ASDのあるお子さんは視線や表情、声のトーンといった社会的な手がかりを理解することが苦手であるため、感情の共有が難しくなることがあると言われることもあります。
「共感の欠如」と呼ばれたりなどもしますが、決して、そんなことはないということを声を大にしてお伝えしたいと思います。
療育を積み重ねたお子さんたちは、共に笑い合いながらその場を共有したり、共感を求めたりすることがあります。
昨日の療育中に、あるお子さんが初めて見る表情をしました。
それは、思考手帳を用いてスケジュールを確認しながら、「お誕生日だけど、この日に溜まった勉強をしようよ」という会話をしていたときでした。
眉を顰め、口をへの字にした、あからさまに「不満げ」な表情に、お母さんも私自身も思わず笑ってしまいました。
私「どうしたの?なんだか不満げだね」
母「口をムーって、へんな顔〜☺️」
すると、そのお子さんは
「どんな顔?こんな顔?」と二人が笑った表情を再現しようと、いろいろな表情を作り(自然と出た表情だったので、再現は難しかったようですが)、「お母さんもやってみて!ほら〜こんな顔!」と、お母さんと顔を見合わせて笑いながら、「こんな顔はどう?」「お母さんの顔も変だよ〜」と、楽しげです。
「お母さんと先生がなんだか笑っているな」「楽しげだな」という雰囲気を感じ取り、「もっと笑ってほしいな」、「いろいろな顔をしていたら、なんだか面白くなってきたから、お母さんにもやってほしいな」と感情を共有しようとする様子に、なんだか嬉しく、そして誇らしくなりました。
(最後には、「誕生日は特別な日だから、お勉強は免除してよ〜!」と気持ちを伝えることができました)
「まさに情動の協調ですよね」とお母さんにお伝えすると、
「昔はお人形さんみたいだったのに、こんなことができるようになるなんて」とひとこと。
この一言が、なんだか深く胸に残りました。
彼がここにくるまでには、いろいろなことがありました。昔の支援者が見たら、驚くほどの今があります。
ただ一つ言えることは、ご家族がここまで本気で取り組んできたからこそ、今があるということです。
全力でやってきたからできるようになったのです。根性論ではありません。本当にそれだけのことをやってきたのです。
彼ら自分の感情を表出し、そして他者の感情も受け入れながら日々をより豊かなものにしていくためのお手伝いをこれからも続けていきたいと思います。
ーーーーずっと一緒だよ!一貫性と継続性のある支援を!ーーーー
一人ひとりのお子さまに応じて理解し,それぞれに最適な療育方法をご提案します。
たすくは自閉症,アスペルガー,ADHD,LD(学習障害)など幅広い発達障害の療育に携わり,15年の歴史がある療育専門機関です。
私たちは、一年に一度、ご家族とスタッフが一堂に会するアセスメントを軸として、共に未来に向けた療育プログラムを作成し、ご提案いたします。
お子さまの困り感に寄り添い、一つひとつスモールステップを踏みながら、一貫性と継続性のある支援を一生涯をとおして行っていく基盤をご用意しています。
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