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2025.11.18カテゴリー：著者：TASUC八王子

TASUC八王子教室　空色母さんと息子の徒然日記ー雨が降るから虹も出るー　メガネと言えた日編

今年は10月にやっと金木犀が香りました。
例年なら9月の半ば、ずいぶん遅れた秋の始まり、待ちに待った香りです。
思い切り深呼吸、あぁ、しあわせ！

さて、最近とても嬉しいことがありました。
今回はこの嬉しいことを書かせていただこうと思います。

それは、「メガネ！」と言えたこと。えっ、それが？なんですが…笑。
数日前、毎日通うトライフル国分寺を退所時に、ボンはメガネをかけ忘れて机においていました。
車に乗ろうとする時、「メガネ忘れてるよ。」と言われます。
すると、玄関で職員さんに「メガネ！」とお願いし、取ってきてもらい、ちゃっかり車に乗って待っていたのです。
これだけの事ですが、母には拍手〜👏な出来事なんです。

以前の彼なら、絶対に自分で取りに行きました。彼にとってはその方が早いから。
ぼんは本当にコミュニケーションをとること、他者にアクションするというところが弱い。
もう、その部分は欠けている、と言ってもいいくらいに。

PECSでカードを相手に渡す。もやりました。(母、講習会に行き勉強もしました。) 
でも、言葉もそこそこ知っていて、不明瞭ながら言う事も出来るので、カードはめんどくさいようで、なかなか徹底できませんでした。
中学生にもなると大抵の事は頼まなくても自分で出来てしまいます。
(もっと小さなうちなら良かったかもしれません。ちなみにボンは中学一年生からたすくにお世話になっています。）

ここだけは伸びない…涙。と思いつつもあきらめるわけにはいきません。
少しでも生きやすくなるために、彼のためです。
ほそぼそとでも続けよう。脳が若ければ壊れた回路も別ルートを作るというじゃないか…。
まず、好きな物なら欲しがるから、基本のそれを言う機会をつくる！
お菓子、飲み物、ご飯のおかわり。
言わないともらえない物や事を増やし、休日のドライブ、行きたいところ、などなど。
はじめは、テーブルで椅子に座ったまま、欲しいものの名前を空気に向かって言っていました。

これを色々と中身を変えながら、24歳の今も続けております。
例えば、通っているトライフルでのお茶。何度でも飲みたい人なので、小さめ水筒を持たせ、たびたびおかわりをもらいに行かなくてはいけないように。
最近まで、近くまで行くけどもじもじ…言えない。
まだ来ないんかい！
わかっちゃいるけど知らん顔を装い、待っていただきました。
それが今は、誰にでも、お茶ください！と言えるようになっています。
誰にでも、というのも大きな成長ですよね。

それから、母との帰宅時のお茶とほっとひと息ご褒美キャンディ。
駅のホームで「お茶ください！」急に言うので「何？」と聞き返します。
すると「お母さん、お茶ください。」と丁寧に言い換えたりしてきます。
電車に乗ると「キャンディください。」こちらを向かず前に向かって言っています。
「誰に言ってるのかな〜？わからないなぁ」と、とぼけます。
するとこちらを向いて「お母さん！キャンディください！」キャンディは上限３個まで。
毎日3回、言う機会です。もう何回繰り返しているでしょう。
それでも、まだ空気に向かって言う事があるのですから、手強いですね。
でも、自分の要求を誰かに伝えられるということは、希望が叶えられるということ。
人生を豊かにすることです。ちょっと大げさですか？笑。

まぁ気長にやりましょう。15年それ以上、長〜く付き合ってきたのだから。

ボンの豊かな人生のために！
ゆっくり小さな歩みながらも「メガネ！」みたいな小さな嬉しいご褒美を、時々もらえることも知っていますから。